VRシステムを活用した高精細な映像によるバーチャル工場見学を実現 株式会社SUBARU
業種:製造|従業員数:37,866名|成果:社会貢献、顧客/従業員満足度向上
人を想い、笑顔をつくるために考え抜く。自動車・航空宇宙分野で独創的な開発を行う株式会社SUBARU
東京都渋谷区に本社を置く自動車・航空機メーカーです。1953年の設立以来、水平対向エンジンや全輪駆動技術、運転支援システム「アイサイト」など、独自の技術開発に取り組んできました。自動車事業では、「安心と愉しさ」という提供価値を軸に、安全性能と走行性能を重視したクルマづくりを行っています。航空宇宙事業では、民間機、防衛機、ヘリコプターの3事業を柱に、多様な航空機の開発・製造を行っています。SUBARUの技術の根底には、前身である中島飛行機から受け継いだ「モノづくりへの情熱」が息づいており、自動車・航空宇宙の両分野に活かされています。同社では、工場再編のための工事により工場見学の実施が困難な状況に陥りました。そこでキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の「コンテンツプロモーション」を活用してVRによる工場体験の機会を創出し、確かな成果を挙げています。総務部の金田氏、遠山氏、ITシステムR&D部の田部井氏に導入における背景やサービスの選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。
導入のポイント
- お客さまの課題
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- 工場見学ルートの一部廃止により、重要な体感ポイントが欠落
- 想いを伝えられる新たな体験環境の整備
- 解決策
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- VR工場見学による臨場感のある映像体験
- 最大100台の快適な同時再生システム
- 導入効果
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- 従来の工場見学では得られなかった体験環境を創出
- 工場見学の満足度向上
導入ソリューション・製品
- キヤノン コンテンツプロモーション
- 私たちがこれまで培ってきた「技術力」「表現力」「プロデュース力」を結集。企画立案から、映像・VR・展示・ウェブなどのコンテンツ制作、デジタルマーケティングによるプロモーションまで対応し、課題解決へと導きます。
導入の背景工場見学の新たな可能性と体験環境の整備を模索
近年、次世代に向けたクルマづくりの競争が激化し、目覚しい進化を遂げている自動車業界。各メーカーとも自社製品の魅力や技術力を訴求するため、工場見学をはじめとしたさまざまな体験の機会を提供しています。そうしたなかで株式会社SUBARUでは具体的にどういった課題があったのでしょうか。
VRコンテンツの有効活用でピンチをチャンスに
BEVとICEの混流生産に向けた工場再編の工事に伴い、それまで工場見学で開放していた、プレス工程から最終の組み立て工程までの一連の流れをご覧いただくためのルートの一部が使用できなくなってしまいました。
特に「プレスやボディ工程」の見学が困難になったことは、当社の製造現場を多くの方に知ったいただく上での大きな課題に。これらの工程はSUBARUのモノづくりに対するこだわりを体感いただける重要なポイントであり、見学者の満足度や理解度にも直結する部分です。加えて現地でしか感じられなかった音や匂いといった五感による体験の機会が失われたことも、見学の価値を損なう要因となってしまいました。
こうした制約の中でもSUBARUの技術力や製造への思いをしっかりと伝えられる手段を模索するなかで、VRによる体験環境の整備が有効な解決策であると判断し、採用させていただいたのがキヤノンMJさんの「コンテンツプロモーション」のVR企画だったのです。



選定の経緯最大100台のVRゴーグルによる同時再生やSUBARUのモノづくりの情熱を伝える企画力
工場のリニューアル工事に伴う見学機会の喪失を背景に、キヤノンMJの「コンテンツプロモーション」を選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や導入の決め手となったポイントなどを伺いました。
VRならではの自由な視点とダイナミックな映像
当社の課題解決に向けてご提案いただいたVR工場見学は、臨場感のある映像体験を通じて現場の雰囲気や工程の流れをわかりやすく伝えられる点が非常に魅力的でした。
特に実際の工場で撮影された高画質な映像にナレーションを組み合せることで単なる動画視聴では得られない体験価値を提供できるほか、VRならではの自由な視点や角度から製造現場をリアルに観察できるため、見学者が自分の興味に応じて最後まで確認できるところに惹かれました。
VRコンテンツ制作における国内屈指の専門性
導入の決め手になったのは大きく3つのポイントがあります。まずは最大100台のVR機器で同時再生が可能なシステムの構築。2つ目は眼鏡タイプのVRゴーグルによる装着のしやすさと快適性。そして、最後が見学者の視点に立ったコンテンツ設計とSUBARUのモノづくりの情熱をしっかりと訴求できる映像シナリオの構成力です。これらを踏まえ、工場のリニューアル工事に伴う現場の制約を補いつつ、見学の価値を高める手段として有効であると判断しました。
確かな提案力とCanonのブランド力
また当初、弊社としては360度視点のVR映像で考えていましたが、工場内のテスト撮影で制作していただいたトライアル映像を使ったデモンストレーションでは、御社からご提案いただいた180度視点の方が見学ポイントを絞れてわかりやすいと実感できました。
Canonブランドの信頼性とメンテナンスなどにおけるサポート体制の安心感も選定理由の一つです。
導入後の成果斬新な画角と没入感が際立つVR映像で従来の見学では得られなかった体験価値を創出
工場見学の満足度とSUBARUのブランド力が向上
キヤノンMJさんにご尽力いただいて制作した約10分間のVRコンテンツは、高精細な映像とナレーションによる補足説明によって、初めて工場見学をされる方でも工程の流れや作業の意味を理解しやすいよう細部にわたって工夫されています。
特に評判を集めているのが、VRならではの自由な視点で捉えた製造ライン映像。車体の内側にカメラを設置して組立作業をピンポイントで撮影したシーンやプレス機の装置ギリギリに寄ったシーンなど、通常は人の目では見ることができない角度の映像が数多くあり、「実際に工場内にいるような臨場感を味わえた」「独創的な映像で細かい作業までダイレクトに観察できて面白かった」といったお喜びの声をたくさんいただいています。
見学者の満足度が向上しただけではなく、SUBARUのモノづくりに対する関心や親近感の醸成とブランド力アップにつながったことも大きな成果であると感じています。
見学現場のニーズに沿った体験環境を実現
今回、実現した「バーチャル工場見学」には幅広い層の方にご参加いただいておりますが、約8割が小学生の団体様です。コンテンツ開発と同時に映像鑑賞用の軽量なVRゴーグル100台による一斉再生システムを構築できたおかげで、小さなお子様たちにも安心かつ快適に製造現場を体験できる場を提供できています。
また、当社の上層部からはVR導入によって工場見学の価値を損なうことなく、むしろ新たな可能性を広げることができたという高い評価を得ています。

最大100台の同時再生が可能


今後の展開より話題性のあるコンテンツやさらなるファンづくりを目指して
キヤノンMJの「コンテンツプロモーション」でバーチャル工場見学を実現し、新たな体験価値の創出を果たした同社。最後に、今後の取り組みや展望について伺いました。
活用の場を広げ、工場見学の魅力アップを追求
これまで見学が難しかったエリアをより多くの方々に安全かつ効果的に紹介する手段として、バーチャル工場見学には大きな可能性を感じています。次のフェーズとしては出前授業や地域イベント、社内研修など、活用する場を広げ、SUBARUのモノづくりの魅力をさらにいろんな層の方に体験していただけるよう取り組んでいきたいと考えています。
一方では複数台のVR機器を同時に安定して運用するための仕組みや、見学者の年齢や理解度に応じたコンテンツの追加や最適化など、取り組むべき新たな課題も見えてきています。こうした点を含めてキヤノンMJさんには現場の声に寄り添った技術的なサポートのほか、自動車業界に留まらない幅広い分野でのノウハウを活かした、より効果的な体験環境のご提案を期待しています。
今後とも時代をリードする見学体制を一緒に作り上げていければと思っています。
株式会社SUBARU
事業内容:自動車、航空機、宇宙関連機器等の製造・販売事業
従業員数:37,866名(連結会社)
所在地:東京都渋谷区恵比寿1-20-8
設立:1953年7月15日
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本記事は取材時(2025年11月)のものです。
